HPに氷出し緑茶の紹介があり、以下のような説明がありました。
『※「深蒸し茶」を使うと、氷水でいれても苦くなるので避けてください。
煎茶であればどんな銘柄でも水出しでうまみが増しますが、高級な煎茶であればよりうまみや香りが増すためオススメです。(安価なお茶は、深蒸し茶や、細かく砕けた茶葉が混ぜてあることがあり苦みが強くなります』(ためしてガッテンより引用)
色々な茶産地の利権が絡んでいるのでしょうが、間違った情報を公の電波で堂々と流すことに不快感を覚えました。
深むし茶はお茶の葉を長時間蒸気に当て、葉の細胞を壊すことで、旨みは抽出しやすくなります。旨みの抽出が多いためか、相対的に渋みも弱まります。
低温で淹れれば渋み(カテキン)の抽出は抑えられ、なお一層旨みは引き立ちます。
突然ですが、砂糖とチョコレートの話をします。どちらが甘く感じますか?
私はチョコレートです。甘みと苦味のバランスです。
甘いものに苦味がプラスされることで一層甘みが引き立ちます。
スイカに塩をかけますが、これも甘みを引き立てるためです。
お茶も旨みと渋みのバランスです。
若蒸し(普通蒸し)のお茶は相対的に渋みも強いのです。だから水で淹れ、渋みを抑えることで、強い旨みと程よく残った渋みがバランスよくなるのです。
逆に深むし茶は、濃い水色の割りに渋みは弱く、あまりに低温で淹れると、渋みが弱すぎ、旨みは抽出するもインパクトの弱い味になってしまいます。
(※だから、当園の水出し煎茶ティーバッグには、わざわざ渋みの強い茶葉や、抹茶(てん茶=若蒸し茶)を入れ、また強火火入れなどの火入れ技術を使いインパクトを出している。)
ためしてガッテンのような苦味が出ると言うのは、ただの欠点茶であり、深むし茶だからではないのです。
深むし茶は製造の前半、若蒸し茶は後半に、お茶の品質を決めるためにより神経を使います。
深むし茶が蒸しや、製造の前工程で失敗した場合、苦味が出ることがあります。
公共の電波です。正しい情報を正確に伝えていただきたいと思います。
(※茶の成分名称、製茶工程機械についての細かな名称は控えさせてもらいました。)
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