2015年12月14日月曜日

27年秋のごあいさつ


11月吉日
晩秋の真っ只中です。茶園の草刈をしていますと、うっすらかく汗が急激に冷えてくる季節です。栗や柿、秋の味覚も少なくなり、どことなく鳥たちの鳴き声も寂しくなってきたように感じます。
今年もひと月余りとなりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。本年も、当園をご利用いただきましてありがとうございました。
さて、近頃海外では空前の抹茶ブームのようで、よく抹茶の相談を受けます。オーストラリアに住む友人からも抹茶がほしいと相談を受けました。意外と抹茶と粉末茶の違いが知られていないので、簡単にご説明します。

①抹茶は碾茶(てんちゃ)を臼などの粉末状のものに挽いたもので、碾茶とは蒸した茶葉を碾茶炉という炉で、200℃程の熱風と遠赤外線で乾燥させた茶葉を言います。上級な碾茶は、茶の木が枯れるか枯れないほどの肥料を与え、日光を遮断し茶葉の旨味を引き上げます。そうしてできた茶葉は碾茶炉による乾燥で炉香(ろか)という薫りを纏(まと)い碾茶に生まれ変わります。
②一方粉末茶は、煎茶を粉末状に挽いたものです。煎茶(特に深蒸煎茶)は、蒸かした茶葉を人肌の温度(36℃)で、圧力を加え、細く撚り込(よりこ)みながら乾かしていきます。撚り込みの工程でコクが生まれ、出来た荒茶に、火入れという二次加工を施し、撚り込みのコクと火入れによる焙煎香を出していきます。 
 煎茶を挽いた粉末茶と、抹茶では全く製造工程が違います。個人的には、煎茶は煎茶として、抹茶は抹茶として飲むほうが美味しいと思っていますが、今は使われ方が多岐にわたっているので、用途に応じ美味しく召し上がってもらいたいと思います。
 
 さて、当園では今年の秋より、小さな地元茶農協の茶工場を購入しました。来春よりメンバーを一人加え、また地域一丸となって美味しいお茶づくりに励んでいきたいと思っています。どうぞよろしくお願い申し上げます。

試作商品のご案内
新茶の季節に、茶畑に2週間遮光をして旨味を引き出したかぶせ茶です。本来は強烈な緑の水色が特徴ですが、強火火入れと15℃の温度で5か月間熟成させたいわゆる「蔵出し茶」ということで、緑の水色は気持ち落ち着いた色合いになっています。
変わり種商品になります。お試しくださいませ。
かぶせ茶 700円(税抜)/100g
気忙しない季節となりますが、皆さま健やかに年の瀬をお過ごしください。
茶づくり 堀川園 一同

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